3.父も成功!姿を消す術~昔我が家に仙人3.父も成功した“姿を消す術”~少女時代の思い出「仙人」シリーズ体を宙に浮かせる術? (1983年名タイ寄稿) 我が家の食客となっていた仙人は、 仙人という言葉から想像するに、 痩身(そうしん)で白髪、ヒゲを伸ばして…、 という人物像が浮かんでくるはずだ。 しかし、私が幼かったから、その人が高齢に思えただけであって、 今、父たちと一緒にいるときの仙人が写っている写真を眺めると、 今の私よりも年齢的には遙かに若い。 ともあれ仙人から、わが父は「姿を消す術」を学んだ。 父は前にも書いたように、 当時は数人の従業員を使っていた経営者だった。 東京への出張も頻繁にあった。 その都度、父は、この仙人直伝の「姿を消す術」を駆使した。 父のために断言しておくが、姿を消す術を使ったけれど、 父はちゃんと規定のチケットを購入していた。 新幹線の切符を買い求め、 乗るときは改札を通ってハサミを入れてもらう。 しかし、出札する際には、仙人の術を使うのである。 車内での検札の際は、素直に受けるときもあったし、 術を使って検札を逃れることもしたらしい。 父は、この術を駆使したあかしとして、 必ず切符を家に持ち帰ってきた。 往復だから、一日出張に出掛けるたびに 2枚の切符がたまる。 別に収集していたわけではないだろうが、 この出札を通過した切符の束は、 軽く10センチは超えただろう。 本当に「山のような切符」が 父の書斎の机の上に置かれていた。 父が仙人から学んだ術は、これだけではない。 体を宙に浮かす術も 一瞬体験したというのである。 もちろん私は、それを聞いたときから 父がただ錯覚しただけだと思っている。 続く (2018年名タイ寄稿) よろしければ応援の↓クリック↓を~(^^) 大好きな平野遼の珠玉の逸品、水彩『歩く人』 平成15年(2003年)に運命ともいうべき出逢いがあり、手に入れました。 我が家の玄関にいてくれる~❤ |